旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「だからもう二度と、ああいうことはやめてください」
真剣な顔で言った私に、彼はフォークを持ったまま、ふっと鼻で笑った。
「……嫌だね」
「なっ……」
「俺からすれば、あいつは目障りでしかないから。同業者で歳も近いし、業績やホテルの知名度も近い。正直恥でもかいて自社より下がってほしいと願うのは、経営者として当然だろ」
恥でも、かいて?
そんな自分のちっぽけなプライドなんかのために、玲央さんを陥れようとするなんて。
込み上げる怒りが頭の中で爆発した瞬間、私は手元のグラスを掴み、中に入っていたシャンパンを思い切り彼にかけた。
バシャッと軽い音とともに、それまで嫌味な笑みを見せていたその顔は水でしたたる。
「いい加減にしなさいよ……玲央さんに勝ちたいなら、そんな姑息なことしないで、仕事で成果出しなさいよ!ガキ!!」
張り上げた大きな声は、小さな個室の中でビリビリとするほど響く。
きっと外にも聞こえているだろう。けれどそれでもお構いなしに、私はバッグから財布を取り出し、一万円札をテーブルにバン!とこれまた勢いよく叩きつけた。