旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「痩せの大食い、ってやつ?すごい食いっぷりだな。男に引かれない?」
「引かれますよ。けどいいんです、おいしいものが好きだから」
海老のてんぷらをサク、と噛むと、しっかりとした海老の食感がおいしくて顔が緩みそうになる。
けれど、この男の前でそんな顔は見せたくない、と私はぐっと歯をくいしばる。
そんな私に、関さんは呆れたように笑った。
「見た目は悪くないにもったいない。俺、お前みたいな食費かかりそうな女絶対結婚したくねーわ」
「私だってあなたみたいな嫌な人間とは結婚したくありませんから!」
なんであくまで自分が選んでやる立場なんだか!
その態度がまた憎くて、ふんっと顔を背けてグラスの中の水を飲む。
「それに、別に分かってくれる人だけ分かってくれれば、それでいいですし」
ぼそ、とつぶやきながら自然と胸に思い浮かぶのは、玲央さんの姿。
『幸せそうで、嬉しくなる』
そう言って、笑ってくれた。
その存在ひとつで、これまで何度も感じた悲しさも消えてしまう。
「それって、立花のこと?」
そんな心を読むかのように突然言い当てられた『立花』の名前。
そのひと言にドキッと跳ねた心臓の動揺を表すかのように、私はグラスの中の水を「ブッ」と吹き出した。