旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



「な、なんで……」

「これまでのお前の立花への入れ込みようを見てるとな」



自分ではあまり見せていないつもりでも、彼はなにかを察していたのだろう。

返す言葉が見つからず、私は黙って濡れた口もとを紙ナフキンで拭う。



そんな私に、彼は自分の前に置かれた水をひと口飲んで納得したように言った。



「けどなんとなく分かったよ。ただの他人のはずが、婚約者のフリしたり、立花のことで自分のことみたいに怒るわけ」

「え?」

「初めて理解してくれた、ただそれだけだったんじゃないのか?刷り込み、っていうか。別に相手が立花じゃなくても同じ気持ちになってただろうな」



彼に対して抱くこころは、『刷り込み』?



雛鳥が、初めて目にしたものを親だと思い込みついていくように。

初めて理解してくれたから、だから彼に心を開いているだけで。

この心に、それ以上の気持ちはない?



……ううん、違う。



「……違います。そんなんじゃ、ない」



関さんの目を見てはっきりと否定すると、彼は嘲笑うように「へぇ」と声を出す。



< 129 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop