旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~





檜山さんは私を連れてホテルを出ると、地下の駐車場に停めてあった車に乗せた。

そして無言のまま、玲央さんのホテルか目黒の自宅に向かう……かと、思いきや。車は六本木方面へと向かっていく。



「あれ……檜山さん、どこへ?」

「立花社長から準備を整えてから来るように言われてますので」

「準備?」



って、なんの?

きょとんとした目を向けるけれど、檜山さんはこちらを見ることなく、答えてなどくれない。

そのうちに車は見覚えのある建物の前に止まる。



『simple dresser』と書かれ店頭にドレスが飾られたそこは……そう、先日パーティーの際にも檜山さんに連れてこられたドレスショップだ。



「あの、ここになんの用が?」



さっきから疑問ばかり投げかけている気がする。そんな私にやはり檜山さんは答えてなどくれず、車を降りると私にも降りるよう命じて店内へと向かう。



「いらっしゃいませ~」

「どうも。今日もお世話になります」

「立花さまからお電話いただいております。では、早速」



真っ白な壁に囲われた店内に入った途端、先日同様出迎えた女性たちは、私の背中を押して奥の試着室へと押し込む。




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