旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
真っ白な壁に囲われ、眩しいライトで照らされる店内では、奥から細身の女性が姿を現した。
「いらっしゃいませ」
「どうも。ガーデンタワー東京の者ですが」
「あぁ!立花さまからお電話いただきましたよ~。お客様、こちらへどうぞ」
にこやかに迎えた女性は、状況をよく把握しているようで、檜山さんとの会話も早々に私の背中を押してすぐ近くにある大きめな試着室へ押し込んだ。
「立花さまのご要望に合わせていくつか用意してみましたけど……うーん、青系や黒系より白系が似合いそうですねぇ」
「えっ、あの……」
「はい、ちょっと失礼しますねー」
にこにことドレスを用意しながら、女性はそのままの勢いで私が着ていた白いトップスをカバッと脱がせる。
「きゃっ、きゃー!?」
「じゃあこちら着てみましょうね~」
悲鳴をあげながら着せられるドレスについているタグを見れば、そこには『260000』の無地が書かれている。
わ、ワンピース1枚で26万……これは、ぞくにいう高級ブランドの服……!?
「ひっ檜山さん!まずいです!私こんなお金ありません!!」
「でしょうね。期待してませんよ」
「えぇ!?」
試着室のドアの向こうにいる檜山さんへ半泣きで声をかけると、返されるのはいたって普通の声。
期待してませんって、それもそれで複雑だけど……でも自分で買えないならどうすれば!?
嫌な汗をぶわっとかきだす私に、女性はニコニコとした顔のまま私の後ろのチャックを上げた。