俺様社長と付箋紙文通?!
背後から声をかけられて振り返ると、女が立っていた。黒いTシャツに濃紺のジーンズ、おさげ髪。あの田舎の女学生だった。こんな田舎者がどうして日本最新のコーヒーショップにいるのか、俺は軽くショックを受けた。商談用のスペースに田舎者が紛れているのも許しがたい。女学生モドキは俺の目の前に立ち、眉を吊り上げた。どうやら今日は怒っているらしい。百面相め。面白いからちょっと相手にしてやろう。
「なんだ」
「どんなお偉いさんか存じませんが、順番をすっ飛ばしたうえに一番眺めのいい窓側の席をぶんどるなんてひどいんじゃないですか」
「取材だ、仕方がないだろう」
「そんなのそっちの勝手な理由じゃないですか。ここにいたひとたち、ここでコーヒーを飲むために3時間も待ったんですよ」
「だからなんだ」
「道徳観がなさすぎます」
道徳だと? このビルのオーナーがコーヒーショップKの2号店の宣伝も兼ねてここまで降りてきたのだ。なんの問題がある。
「俺はこのビルのオーナーだ。このコーヒーショップK2号店の告知と宣伝も兼ねてここに来た。このカフェの一番眺めのいい席で取材を受けるのは当然の義務だ」
女学生モドキはちっちゃい目を大きく開き、口をぽかんと開けた。これだから田舎者は。俺がどんなに偉いか雰囲気で察知できんのか。でもすぐに目を吊り上げて、ぷんぷんと怒り出した。
「オーナーさんならなおのことじゃないでしょうか。このビルを利用してくれるひとがいてこそのビルです。そのお客さんたちをないがしろにするなんて」
「うるさい。じゃあ、今日はこの席にいた客たちは無料にする。それでいいか?」
モドキは、なんかちがう、とぶつくさ言っていたが、客たちはラッキーとはしゃぎ始めてその声に打ち消された。ぶつぶつつぶやくモドキの腕を玉ねぎ頭の女が、もう、と言って連れ出した。田舎者は片付いた。
そこに秘書の宮下が奥から取材班とともに戻ってきて、画像にはエントランスパークの赤い軽ワゴン車と花壇が入るようにと指示をした。テキパキと指示を出す宮下は本当にできる部下だ。この設楽土地活用コンサルタントサービスが軌道に乗ったら彼女に跡を任せてもいい。
雑誌社のスタッフと軽く打ち合わせをしてから撮影が始まった。
*−*−*
「なんだ」
「どんなお偉いさんか存じませんが、順番をすっ飛ばしたうえに一番眺めのいい窓側の席をぶんどるなんてひどいんじゃないですか」
「取材だ、仕方がないだろう」
「そんなのそっちの勝手な理由じゃないですか。ここにいたひとたち、ここでコーヒーを飲むために3時間も待ったんですよ」
「だからなんだ」
「道徳観がなさすぎます」
道徳だと? このビルのオーナーがコーヒーショップKの2号店の宣伝も兼ねてここまで降りてきたのだ。なんの問題がある。
「俺はこのビルのオーナーだ。このコーヒーショップK2号店の告知と宣伝も兼ねてここに来た。このカフェの一番眺めのいい席で取材を受けるのは当然の義務だ」
女学生モドキはちっちゃい目を大きく開き、口をぽかんと開けた。これだから田舎者は。俺がどんなに偉いか雰囲気で察知できんのか。でもすぐに目を吊り上げて、ぷんぷんと怒り出した。
「オーナーさんならなおのことじゃないでしょうか。このビルを利用してくれるひとがいてこそのビルです。そのお客さんたちをないがしろにするなんて」
「うるさい。じゃあ、今日はこの席にいた客たちは無料にする。それでいいか?」
モドキは、なんかちがう、とぶつくさ言っていたが、客たちはラッキーとはしゃぎ始めてその声に打ち消された。ぶつぶつつぶやくモドキの腕を玉ねぎ頭の女が、もう、と言って連れ出した。田舎者は片付いた。
そこに秘書の宮下が奥から取材班とともに戻ってきて、画像にはエントランスパークの赤い軽ワゴン車と花壇が入るようにと指示をした。テキパキと指示を出す宮下は本当にできる部下だ。この設楽土地活用コンサルタントサービスが軌道に乗ったら彼女に跡を任せてもいい。
雑誌社のスタッフと軽く打ち合わせをしてから撮影が始まった。
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