俺様社長と付箋紙文通?!
タイツを履いてるとはいえ、太ももをさらけ出して。あんな姿を公衆の面前でひけらかすとははしたない。あれはやめさせないと。こんなはしたないスタイルでB.C. square TOKYOエントランスパークで営業させてはならない。その使命感に燃えて、俺はいつのまにかサキホの前に来ていた。俺が付箋紙文通の相手だと知らないサキホは俺を見るなり、にらんだ。
「なにか用ですかぁ?」
「ドーナツをもらおうか」
俺が棚のドーナツ(かんぴょう煮入り生地に狙いを定めていた)に手を伸ばそうとすると、サキホは細く白い手で俺の手の甲をぺちんと叩いた。彼女は顎で向こうを指している。列に並べ、ということか。くそ。ちっ、と舌打ちして俺は最後尾に並んだ。待っている間、接客するサキホを眺める。迷って決めかねている客にもにこにこと笑顔を絶やさず、優しく接している。
そういえば似ている。面影がある、というほうが正解か。ウォールの情報に間違いはなさそうだ。
チクリ、と俺の胸が痛んだ。
*−*−*
今日はなんとなくついていない。寝坊して慌ててしまいアイメイクし忘れて、ぼやけた顔になっているから、人に見られるのが恥ずかしい。サンタコスプレで否応なしにひと目につく。向こうで立っている眼鏡をかけたサラリーマンもにやついてる。恥ずかしい。
ついてないことは続くもので、あの態度が大きいシャチョーがやってきた。相変わらず傍若無人な態度だ。列を無視してドーナツを買うとするので、私は一喝して最後尾に並ばせた。女の子の列に並ぶシャチョーは頭ふたつ分抜きんでていて、ジロジロと私を見ているのがこちらからも見えた。私はなぜか無性に落ち着かなくなった。
にやにや笑っていたスーツ男の眼鏡がきらりと光った。丸みを帯びていない直線的な反射の仕方。ああ、伊達眼鏡か、と思った瞬間、男が走り出した。右腕をまっすぐ前に伸ばし、まっしぐらに向かってくる。え、ええっ、私?
予想外のことで私は固まってしまった。払いのけるなり、突き飛ばすなりすればいいのに動けない。
男は私の真ん前に到達して、まっすぐに向けた手は私の首元にむかう。そしてとうとう男の指が私の首に触れた。
え、なに、通り魔?
殺される? 絞殺?
「なにか用ですかぁ?」
「ドーナツをもらおうか」
俺が棚のドーナツ(かんぴょう煮入り生地に狙いを定めていた)に手を伸ばそうとすると、サキホは細く白い手で俺の手の甲をぺちんと叩いた。彼女は顎で向こうを指している。列に並べ、ということか。くそ。ちっ、と舌打ちして俺は最後尾に並んだ。待っている間、接客するサキホを眺める。迷って決めかねている客にもにこにこと笑顔を絶やさず、優しく接している。
そういえば似ている。面影がある、というほうが正解か。ウォールの情報に間違いはなさそうだ。
チクリ、と俺の胸が痛んだ。
*−*−*
今日はなんとなくついていない。寝坊して慌ててしまいアイメイクし忘れて、ぼやけた顔になっているから、人に見られるのが恥ずかしい。サンタコスプレで否応なしにひと目につく。向こうで立っている眼鏡をかけたサラリーマンもにやついてる。恥ずかしい。
ついてないことは続くもので、あの態度が大きいシャチョーがやってきた。相変わらず傍若無人な態度だ。列を無視してドーナツを買うとするので、私は一喝して最後尾に並ばせた。女の子の列に並ぶシャチョーは頭ふたつ分抜きんでていて、ジロジロと私を見ているのがこちらからも見えた。私はなぜか無性に落ち着かなくなった。
にやにや笑っていたスーツ男の眼鏡がきらりと光った。丸みを帯びていない直線的な反射の仕方。ああ、伊達眼鏡か、と思った瞬間、男が走り出した。右腕をまっすぐ前に伸ばし、まっしぐらに向かってくる。え、ええっ、私?
予想外のことで私は固まってしまった。払いのけるなり、突き飛ばすなりすればいいのに動けない。
男は私の真ん前に到達して、まっすぐに向けた手は私の首元にむかう。そしてとうとう男の指が私の首に触れた。
え、なに、通り魔?
殺される? 絞殺?