俺様社長と付箋紙文通?!
んー、それって私が重たいことを暗に言おうとしていることだろうか。見上げると設楽シャチョーの凛々しい顔、表情。その上にはロビー吹き抜けの天井。2階から聞えるクリスマスソングはボサノバだ。服越しに伝わるあたたかさ、ほんのり香るムスクの匂い。力強い腕に安心できるはずなのに、私はどきどきした。早く降ろして思うと同時にこのままうずくまっていたいとも思う。奥に進むにつれて人の気配がなくなる。関係者以外立ち入り禁止のマークの自動ドアをぬけると無音の空間になった。自分の心臓の音とシャチョーの靴音が耳に響く。
医務室という表示が掲げられた部屋に通された。シャチョーは中に進むと私をおろした。背中がひんやりする。ぱりっと音のしそうな糊のきいたシーツ、ベッドだ。シャチョーが私から離れてムスクの香りが薄れ、医務室独特の消毒の匂いに変わる。ゆっくりと、そっといたわるように。顔をのぞき込まれて、どきりとした。
心配そうな瞳、寄せた眉。その視線は私の足元のほうに向いた。彼の長い腕が伸びる。指先が私の足首に触れた。
「すまない。かなり腫れている。痛むか?」
「あ、あの、少しだけ」
「いま医者を呼んでくる」
「あ、はい。ありがとう……ございま……す」
まっすぐに見つめられて、私は彼の顔を見ることができなかった。思わず目を逸らす。何を恥ずかしがっているんだ、私。
ん? ネクタイの上にきらりと光る石が見えた。ダイヤモンドだ。あれ、このタイピン、見たことがある……。
ダイヤのまわりに小さいダイヤがぐるりと囲んだデザイン、ひまわりだ。
ああ、そうか。わかった。そういうことだったのか。
このビルに勤めていれば、どこかで知り合うチャンスはある。ましてや美男美女、お互い目につくタイプ
彼女が彼にタイピンを贈る。
バリキャリ女史と設楽シャチョーはつきあっているのだ。
「バリキャリ……さ……」
「おい、どうした、おい!!」
なんだか眠い。まぶたを閉じるとあたりは砂嵐になった。
*−*−*
医務室という表示が掲げられた部屋に通された。シャチョーは中に進むと私をおろした。背中がひんやりする。ぱりっと音のしそうな糊のきいたシーツ、ベッドだ。シャチョーが私から離れてムスクの香りが薄れ、医務室独特の消毒の匂いに変わる。ゆっくりと、そっといたわるように。顔をのぞき込まれて、どきりとした。
心配そうな瞳、寄せた眉。その視線は私の足元のほうに向いた。彼の長い腕が伸びる。指先が私の足首に触れた。
「すまない。かなり腫れている。痛むか?」
「あ、あの、少しだけ」
「いま医者を呼んでくる」
「あ、はい。ありがとう……ございま……す」
まっすぐに見つめられて、私は彼の顔を見ることができなかった。思わず目を逸らす。何を恥ずかしがっているんだ、私。
ん? ネクタイの上にきらりと光る石が見えた。ダイヤモンドだ。あれ、このタイピン、見たことがある……。
ダイヤのまわりに小さいダイヤがぐるりと囲んだデザイン、ひまわりだ。
ああ、そうか。わかった。そういうことだったのか。
このビルに勤めていれば、どこかで知り合うチャンスはある。ましてや美男美女、お互い目につくタイプ
彼女が彼にタイピンを贈る。
バリキャリ女史と設楽シャチョーはつきあっているのだ。
「バリキャリ……さ……」
「おい、どうした、おい!!」
なんだか眠い。まぶたを閉じるとあたりは砂嵐になった。
*−*−*