俺様社長と付箋紙文通?!
目が覚めると大きな窓にはマンゴー色の夕焼け空が広がっていた。景色を遮るものは数本のビルたち。どうやら高層ビルにいるらしい。なんとなく見覚えのある景色……まるこぽーろで見たのとほぼ同じだ。ということはB.C. square TOKYOのどこかだ。肘をついて起き上がる。大きいベッド……しかも天蓋付き。壁には牧場が描かれた油絵、天井には間接照明。大きなドレッサーやテーブルもある。なにやらゴージャスな部屋だということは分かった。確か高層階にはホテルもはいっていた。仮にここがホテルの一室として、どうしてここに。
えっと、どうしてたんだっけ。この時間なら店じまいしてとちぎに帰らないと。ドーナツは完売したんだっけ? いや、まだ売ってる途中で……。思いだした。変な男にダイヤを奪われそうになって犯人に突き飛ばされた。
とっさに首に手をやる。
あった。よかった。
倒れて背中と頭を打って、設楽シャチョーに抱きかかえられて医務室に行った。すごく心配してくれて、ヘリコプターを手配して大学病院まで搬送してくれた。頭を打ったせいか、意識は朦朧としていて、そのあたりはもやがかかったように思い出せない。
でも検査の順番を待つ間も、診察の結果を聞くときもずっと隣にいてくれたのは覚えている。大丈夫か、具合は悪くないかと何度もたずねて。設楽シャチョーが親切な人だとは肌でわかった。口も態度も悪いけど、それなりにいいひとなんだって。だから恋人もいる。あんな高価なタイピンを買ってくれる彼女。
ふう、とベッドに座ったままため息をつく。うつむくとサイドテーブルに白い紙切れが見えた。便箋だ。手に取る。何か書いてある。見覚えのある文字は紫がかった黒いインクで書かれていた。かくかくのくせ字なのに万年筆のせいでやわらかく見える。ボスさんの字だ。
部屋には私しかいないのにその便箋を誰にもとられたくなくてとっさにつかんだ。
“今日は大変だったな。この部屋は俺からのプレゼントだ。ゆっくり休むといい。これにこりずに販売を再開してほしい。ドーナツ、楽しみに待っている”
え? ということはこの部屋の取ってくれたのはボスさん?
今日はバリキャリ女史が来てなかったから、突然の営業中止でドーナツが食べられなかったにちがいない。きっとどこかで私が襲われたのを聞いたんだ。
ボスさん……ありがとう。
えっと、どうしてたんだっけ。この時間なら店じまいしてとちぎに帰らないと。ドーナツは完売したんだっけ? いや、まだ売ってる途中で……。思いだした。変な男にダイヤを奪われそうになって犯人に突き飛ばされた。
とっさに首に手をやる。
あった。よかった。
倒れて背中と頭を打って、設楽シャチョーに抱きかかえられて医務室に行った。すごく心配してくれて、ヘリコプターを手配して大学病院まで搬送してくれた。頭を打ったせいか、意識は朦朧としていて、そのあたりはもやがかかったように思い出せない。
でも検査の順番を待つ間も、診察の結果を聞くときもずっと隣にいてくれたのは覚えている。大丈夫か、具合は悪くないかと何度もたずねて。設楽シャチョーが親切な人だとは肌でわかった。口も態度も悪いけど、それなりにいいひとなんだって。だから恋人もいる。あんな高価なタイピンを買ってくれる彼女。
ふう、とベッドに座ったままため息をつく。うつむくとサイドテーブルに白い紙切れが見えた。便箋だ。手に取る。何か書いてある。見覚えのある文字は紫がかった黒いインクで書かれていた。かくかくのくせ字なのに万年筆のせいでやわらかく見える。ボスさんの字だ。
部屋には私しかいないのにその便箋を誰にもとられたくなくてとっさにつかんだ。
“今日は大変だったな。この部屋は俺からのプレゼントだ。ゆっくり休むといい。これにこりずに販売を再開してほしい。ドーナツ、楽しみに待っている”
え? ということはこの部屋の取ってくれたのはボスさん?
今日はバリキャリ女史が来てなかったから、突然の営業中止でドーナツが食べられなかったにちがいない。きっとどこかで私が襲われたのを聞いたんだ。
ボスさん……ありがとう。