俺様社長と付箋紙文通?!
と、ひとりひとりにお願いをしている。開発地域が小麦畑とかぶるのをいまごろ知るなんて遅すぎる。社長たるもの、もっと情報収集をしていてもいいのに、と私はため息をついた。彼はパフォーマーであって経営には向いていない。地主、農協、市ともあらかたの話はついていて、すでにほぼほぼ契約を交わしたという話らしい。でもこの小麦にほれ込んでいるウォール社長は、小麦が手に入らなくなれば店をいったんたたむとまで言い出している。
いまから白紙撤回は厳しい。でもわずかな望みがあるなら動かねばいけない、ということ。あの小麦畑がなければこのドーナツはなくなってしまう。
そんな理由から短冊ツリーは反対署名ツリーになってしまった。まあ、白いカードで覆いつくされたツリーはそれはそれできれいだけど。
「ショッピングタウン建設はんたーい」
「はんたーい」
「いますぐ設楽建設は出ていけー」
「でていけー」
そして今日は朝から騒がしい。デモ人数は昨日の5倍に増えた。20人。ビールケースの上に立った年配の男性は黄ヘルメットをかぶり、拡声器で声をあげると、ほかの人たちが声をなぞった。ショッピングタウン建設計画を白紙にせよ、というデモ団体だ。のどかな景観を守れというのぼり旗を掲げるのは環境保護団体のひと、地域のこどもに安全をというプラカードを持つのは近隣小学校PTAの役員らしい女性、とちぎの農地を守れ、というゼッケンを身に着けているのは農協のひと。
設楽ショッピングタウンができるのはとちぎの中でも小麦栽培の中心地なところで、その土地でとれた小麦がどうやらうちのドーナツの原料となっている。私の心中は穏やかではない。このドーナツの原料の小麦が取れなくなればドーナツを作ることが不可能になる。それは私の死活問題だ。なんとしてでも阻止したい。
でもその一方で建設反対の動きは困る。だって彼の死活問題だからだ。私を犯人から守ってくれたのは設楽シャチョー、つまりはこのショッピングタウンの事業主だからだ。どうしてこんなに心が揺れるのだろう。設楽ショチョーの事業が頓挫しても私に不利益はない。むしろ小麦栽培が継続されて、ドーナツを売り続けることができるのに。なぜだろう、心の中は複雑だ。どっちを応援していいかわからない。そんなやじろべえ的な思いで私はデモの声を聴きながらドーナツを販売していた。
いまから白紙撤回は厳しい。でもわずかな望みがあるなら動かねばいけない、ということ。あの小麦畑がなければこのドーナツはなくなってしまう。
そんな理由から短冊ツリーは反対署名ツリーになってしまった。まあ、白いカードで覆いつくされたツリーはそれはそれできれいだけど。
「ショッピングタウン建設はんたーい」
「はんたーい」
「いますぐ設楽建設は出ていけー」
「でていけー」
そして今日は朝から騒がしい。デモ人数は昨日の5倍に増えた。20人。ビールケースの上に立った年配の男性は黄ヘルメットをかぶり、拡声器で声をあげると、ほかの人たちが声をなぞった。ショッピングタウン建設計画を白紙にせよ、というデモ団体だ。のどかな景観を守れというのぼり旗を掲げるのは環境保護団体のひと、地域のこどもに安全をというプラカードを持つのは近隣小学校PTAの役員らしい女性、とちぎの農地を守れ、というゼッケンを身に着けているのは農協のひと。
設楽ショッピングタウンができるのはとちぎの中でも小麦栽培の中心地なところで、その土地でとれた小麦がどうやらうちのドーナツの原料となっている。私の心中は穏やかではない。このドーナツの原料の小麦が取れなくなればドーナツを作ることが不可能になる。それは私の死活問題だ。なんとしてでも阻止したい。
でもその一方で建設反対の動きは困る。だって彼の死活問題だからだ。私を犯人から守ってくれたのは設楽シャチョー、つまりはこのショッピングタウンの事業主だからだ。どうしてこんなに心が揺れるのだろう。設楽ショチョーの事業が頓挫しても私に不利益はない。むしろ小麦栽培が継続されて、ドーナツを売り続けることができるのに。なぜだろう、心の中は複雑だ。どっちを応援していいかわからない。そんなやじろべえ的な思いで私はデモの声を聴きながらドーナツを販売していた。