俺様社長と付箋紙文通?!
そのあとも見かけたお客さんが気になってと買いに来てくれた。ドーナツなら手軽にシェアできるからクリスマスケーキの代わりにオフィスで、ということらしい。なるほど。そんな手もあったのか。売り切れだと告げると残念そうな顔をしたけど、予約していってくれた。


*−*−*


「おーい丈浩、買ってきたぞよ」
「別に頼んでない」


親父は出張から帰ってくると、エントランスパークまで降りてドーナツを買ってきた。50センチ四方の薄べったい箱を開けると、中には巨大なうずまきドーナツが入っていた。


「B.C. square TOKYO限定BIGりドーナツぞよ。さきちゃんが考案した特別品だぞ」
「ふん」
「結構人気でな、予約して3日も待った。1日限定10個。ネットでも話題に上がっているぞよ。おかげでエントランスパークは開場以来の賑わいだ」


これがB.C. square TOKYOをイメージしたドーナツか。いつものドーナツに洒落た飾りがついたものが出てくるかと予想していたが、まさかこんなでかい品物が来るとは。クリスマスリースを意識したのかヒイラギの葉がいくつか乗せてある。チョコもグリーンのピスタチオチョコと赤のいちごチョコの2種類。これは食いでがありそうだ。

これがサキホと俺の思い出の品。そう思うと食べるのがもったいなく思えてきた。

窓から下を眺める。確かにドーナツを求める列は20メートルにも伸びていた。Yaboo!のトップニュースにも入っていたのだから相当だろう。



*−*−*

「こちらが今話題のドーナツカー、真っ赤でかわいいです。そして見てください、こんなに大きなドーナツ、見たことがありません。お話をうかがいます、あったか☆ドーナツ社長の真壁さんです。よろしくおねがいします」
「よろしくお願いします」
「なぜこんなドーナツを?」
「これはですねぇ」


きょうはテレビ局からの取材を受けている。ウォール社長は張り切って東京にやってきた。あったか☆ドーナツ発祥の由来とこの巨大ドーナツを作ろうとしたきっかけを説明している。
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