俺様社長と付箋紙文通?!
おさげの髪が風で流れる。幼い瞳で俺を見あげるサキホ。目に涙をため、何かを訴えようとしている。もう顔を見るのはやめよう、そう決めたのに、なんの拷問だ。忘れられなくなるではないか。
「バリキャリさんが社長はヘリに乗るところだっていうから……あのぅ」
「なんだ、早く言え」
「開発を取りやめてほしいんです」
「いまさら何を」
うるうると緩む瞳。女の子を泣かせてはダメよ、という母親の遺言が脳裏に浮かぶ。あの洋館を去るときもこんなふうに泣いていたんだろうか。
「……とりあえず乗れ」
俺はサキホに手を差し出した。
*−*−*
みるみるビルたちから離れていく。まるで鉛筆の塔がならんだみたいだ。手が届きそうな位置に雲が浮かぶ。
初めて乗るヘリコプターは怖かった。バラバラと羽音はうるさいし、そもそも空気の中を鉄の塊が漂うなんてホラーやオカルトの世界だ。SFなんてかわいいものじゃない。お化けだ、妖怪だ、物の怪だ。ぶるぶると肩が震える、唇も震える。ひいいいい。
突然、頭の上から何かをかぶせられた。耳のあたり一帯が圧迫される。聞こえるか?、と声が聞こえた。どうやらヘッドフォンらしい。口元でシャチョーの指が動く。口の前にマイクがセットされた。よくみるとシャチョーもヘッドフォンを装着していた。
「ヘッドセットだ。これがないと轟音で会話が聞こえんからな」
「あ、あのぅ、設楽シャチョー、こ、怖くないんですか」
「ああ。子供のころから乗っているからな、慣れてる。車や新幹線より速いから移動が楽だし。怖いのか?」
「だ、だって、地に足がついてないんですよ。羽が止まったら落ちちゃうんですよ」
「落ちるわけがないだろう。馬鹿か、お前は」
「だ、だってぇ……」
涙が出そうだ。もしかしたら高所恐怖症なのかもしれない。鳥の群れと平行にヘリは進む。私は羽がないのに飛んでいる。
「うわあああ……」
「うるさいっ」
「バリキャリさんが社長はヘリに乗るところだっていうから……あのぅ」
「なんだ、早く言え」
「開発を取りやめてほしいんです」
「いまさら何を」
うるうると緩む瞳。女の子を泣かせてはダメよ、という母親の遺言が脳裏に浮かぶ。あの洋館を去るときもこんなふうに泣いていたんだろうか。
「……とりあえず乗れ」
俺はサキホに手を差し出した。
*−*−*
みるみるビルたちから離れていく。まるで鉛筆の塔がならんだみたいだ。手が届きそうな位置に雲が浮かぶ。
初めて乗るヘリコプターは怖かった。バラバラと羽音はうるさいし、そもそも空気の中を鉄の塊が漂うなんてホラーやオカルトの世界だ。SFなんてかわいいものじゃない。お化けだ、妖怪だ、物の怪だ。ぶるぶると肩が震える、唇も震える。ひいいいい。
突然、頭の上から何かをかぶせられた。耳のあたり一帯が圧迫される。聞こえるか?、と声が聞こえた。どうやらヘッドフォンらしい。口元でシャチョーの指が動く。口の前にマイクがセットされた。よくみるとシャチョーもヘッドフォンを装着していた。
「ヘッドセットだ。これがないと轟音で会話が聞こえんからな」
「あ、あのぅ、設楽シャチョー、こ、怖くないんですか」
「ああ。子供のころから乗っているからな、慣れてる。車や新幹線より速いから移動が楽だし。怖いのか?」
「だ、だって、地に足がついてないんですよ。羽が止まったら落ちちゃうんですよ」
「落ちるわけがないだろう。馬鹿か、お前は」
「だ、だってぇ……」
涙が出そうだ。もしかしたら高所恐怖症なのかもしれない。鳥の群れと平行にヘリは進む。私は羽がないのに飛んでいる。
「うわあああ……」
「うるさいっ」