俺様社長と付箋紙文通?!
「ええ、まあ」
「それだけでずっと一緒にいるのか」
「ええ」
「ウォールと寝たりするのか」
「ええ、まあ」
受験勉強も佳境を迎えて、夜に私の部屋に来てくれることもあった。進路に悩んで眠れない夜は添い寝もしてもらったこともある。でもあくまでお兄ちゃん的存在なのだ。
設楽シャチョーがかかとを軸につま先でとんとんとアスファルトを叩いた。なにかいらついているらしい。
「設楽シャチョーってウォールさんと知り合いなんですよね?」
「ああ。大学時代の悪友だ」
ってことは名門成享大学卒? すごい……。
「……わかった」
「はい?」
「いや、なんでもない。東京に戻ろう。遅くなるからホテルに泊まるか? 代金は俺が出す」
「宿泊代も高いから申し訳ないし」
泊まりたいのはやまやまだけど、ひとりじゃ寂しいし、そもそもドーナツの仕入れにとちぎに戻らないといけない。すると操縦士さんがにたにたと笑って私と設楽シャチョーを交互に見た。
「なら丈浩の自宅に泊まっていったらどうだい? お城みたいだぞよ。シリックの天蓋付きベッドもあるし」
「シリック? シリックってイタリア製の?」
「親父、うるさいっ! 余計なことをっ!」
「余計? あのう、親父って丈浩って?」
「いいから帰る! オフィスに戻る。ほら乗るぞっ」
設楽シャチョーが手を差し出した。ヘリコプターに乗るのはちょっと怖いけど、設楽シャチョーの隣にいられるのはうれしい。シャチョーもシリック家具のファンなのかな。それもうれしい。
でも、片思いなんだな。
*−*−*
サキホと親父とともに(親父は操縦士だから仕方がない)B.C. square TOKYOにもどった。遅くなったしホテルに泊めてやるといったが、ドーナツの仕入れがあるから帰るというサキホをエントランスパークで見送った。真っ赤なドーナツカーが交差点の角を曲がるまで見つめていた。悔しいが、そのドーナツカーの助手席には当然ながらウォールがいた。くそ。あんなひょろひょろの体でサキホを抱いているのか……。
嫉妬心で爆発しそうになる。親父がサキホを自宅に泊めろなんていったからだ。変に妄想してしまった。天蓋付きのベッドで乱れるサキホ。いかん。サキホはウォールの女なのだ。
しかし、いたしかたあるまい。サキホが選んだ男なら。
そして俺はサキホのためにある決断をした。
「それだけでずっと一緒にいるのか」
「ええ」
「ウォールと寝たりするのか」
「ええ、まあ」
受験勉強も佳境を迎えて、夜に私の部屋に来てくれることもあった。進路に悩んで眠れない夜は添い寝もしてもらったこともある。でもあくまでお兄ちゃん的存在なのだ。
設楽シャチョーがかかとを軸につま先でとんとんとアスファルトを叩いた。なにかいらついているらしい。
「設楽シャチョーってウォールさんと知り合いなんですよね?」
「ああ。大学時代の悪友だ」
ってことは名門成享大学卒? すごい……。
「……わかった」
「はい?」
「いや、なんでもない。東京に戻ろう。遅くなるからホテルに泊まるか? 代金は俺が出す」
「宿泊代も高いから申し訳ないし」
泊まりたいのはやまやまだけど、ひとりじゃ寂しいし、そもそもドーナツの仕入れにとちぎに戻らないといけない。すると操縦士さんがにたにたと笑って私と設楽シャチョーを交互に見た。
「なら丈浩の自宅に泊まっていったらどうだい? お城みたいだぞよ。シリックの天蓋付きベッドもあるし」
「シリック? シリックってイタリア製の?」
「親父、うるさいっ! 余計なことをっ!」
「余計? あのう、親父って丈浩って?」
「いいから帰る! オフィスに戻る。ほら乗るぞっ」
設楽シャチョーが手を差し出した。ヘリコプターに乗るのはちょっと怖いけど、設楽シャチョーの隣にいられるのはうれしい。シャチョーもシリック家具のファンなのかな。それもうれしい。
でも、片思いなんだな。
*−*−*
サキホと親父とともに(親父は操縦士だから仕方がない)B.C. square TOKYOにもどった。遅くなったしホテルに泊めてやるといったが、ドーナツの仕入れがあるから帰るというサキホをエントランスパークで見送った。真っ赤なドーナツカーが交差点の角を曲がるまで見つめていた。悔しいが、そのドーナツカーの助手席には当然ながらウォールがいた。くそ。あんなひょろひょろの体でサキホを抱いているのか……。
嫉妬心で爆発しそうになる。親父がサキホを自宅に泊めろなんていったからだ。変に妄想してしまった。天蓋付きのベッドで乱れるサキホ。いかん。サキホはウォールの女なのだ。
しかし、いたしかたあるまい。サキホが選んだ男なら。
そして俺はサキホのためにある決断をした。