俺様社長と付箋紙文通?!
卓上カレンダーも残り一枚、その一枚もあと1週間で終わりだ。きょうは12月24日、クリスマスイブ。窓越しの空は午前中だというのにうす暗い。分厚い雲に覆われているせいだ。今夜は雪の予報も出ている。
ドアがノックされ、宮下がやってきた。今夜は恋人とデートだろう、残業なしで上がりたいだろう。
「例の廃校の跡地ですが、かなり安価で購入できそうです。近隣地域の住民も廃墟と化した大学構内は不気味なようで、活用してくれる買い手を探してたとのことでした」
「そうか。では今日の理事会で報告して承認を取る。担当部署に資料を作成させろ」
「はい。それと、先日ドーナツ娘を襲った犯人の顔が割れました」
「なに」
「住所不定の無職、38歳、以前は西東京に住んでいて親が資産家で相当の不動産を持っていたそうです。その遺産を当てにしていたもの、地価が暴落し、安値で買い取ったのが彼女のご両親でした。彼女のご両親にしてみれば資産価値のない土地を買ったようですが、それが逆恨みにつながったようです。まあ結局はその土地も設楽社長とお父様が買い上げたわけですが、そのことは男は把握していないようです」
「そうか」
ダイヤが目当ての短絡的な犯行ではなかったのは安心したが、誤解とはいえサキホが狙われているには違いない。なんとかして男を取り押さえねば。
そんな話をしていると、デスクの上のインターフォンが鳴った。出れば相手は管理人室長の田中だった。設置している25の監視カメラのうち、犯人と思われる人物を20台のカメラがキャッチした模様、という田中の報告だった。
「なに? すぐ行く!」
「社長、危険です。ここは私にお任せくださ……社長!」
サキホの一大事だ。俺は宮下の制止も聞かず、社長室を飛び出した。
*−*−*
きょうはクリスマスイヴだ。使い捨てカイロも10個使っているけど、ぶるぶると震える。曇天、みぞれ混じりの雨が降り出した。そういえば今夜は雪の予報が出ていた。きょうはとちぎの新鮮野菜の具沢山スープの売れもいい。こんな日はほかほかスープで温まりたい。
寒い中を並んでくれているお客さんに早くドーナツをお渡ししたいとかじかむ指をせっせと動かしていた。ドーナツを袋に入れ、お金を受け取る。ドーナツカードをお持ちのかたにはうずまきスタンプを押す。
ドアがノックされ、宮下がやってきた。今夜は恋人とデートだろう、残業なしで上がりたいだろう。
「例の廃校の跡地ですが、かなり安価で購入できそうです。近隣地域の住民も廃墟と化した大学構内は不気味なようで、活用してくれる買い手を探してたとのことでした」
「そうか。では今日の理事会で報告して承認を取る。担当部署に資料を作成させろ」
「はい。それと、先日ドーナツ娘を襲った犯人の顔が割れました」
「なに」
「住所不定の無職、38歳、以前は西東京に住んでいて親が資産家で相当の不動産を持っていたそうです。その遺産を当てにしていたもの、地価が暴落し、安値で買い取ったのが彼女のご両親でした。彼女のご両親にしてみれば資産価値のない土地を買ったようですが、それが逆恨みにつながったようです。まあ結局はその土地も設楽社長とお父様が買い上げたわけですが、そのことは男は把握していないようです」
「そうか」
ダイヤが目当ての短絡的な犯行ではなかったのは安心したが、誤解とはいえサキホが狙われているには違いない。なんとかして男を取り押さえねば。
そんな話をしていると、デスクの上のインターフォンが鳴った。出れば相手は管理人室長の田中だった。設置している25の監視カメラのうち、犯人と思われる人物を20台のカメラがキャッチした模様、という田中の報告だった。
「なに? すぐ行く!」
「社長、危険です。ここは私にお任せくださ……社長!」
サキホの一大事だ。俺は宮下の制止も聞かず、社長室を飛び出した。
*−*−*
きょうはクリスマスイヴだ。使い捨てカイロも10個使っているけど、ぶるぶると震える。曇天、みぞれ混じりの雨が降り出した。そういえば今夜は雪の予報が出ていた。きょうはとちぎの新鮮野菜の具沢山スープの売れもいい。こんな日はほかほかスープで温まりたい。
寒い中を並んでくれているお客さんに早くドーナツをお渡ししたいとかじかむ指をせっせと動かしていた。ドーナツを袋に入れ、お金を受け取る。ドーナツカードをお持ちのかたにはうずまきスタンプを押す。