俺様社長と付箋紙文通?!
「宮下は彼女がいる。あいつは女にしか興味がないんだ。結構持てるらしいぞ。あれだけ腕っぷしが強いからな。そこらの男より強いだろう?」
「え? じゃあ……シャチョーって」
「フリーだが?」
「そうなんですか」
ふうっと体の力が抜けていく。フリーってことは、いま、恋人はいないってことだ。バリキャリさんが女性にしか興味がないのも驚いたけど、シャチョーがフリーだなんて。
「宮下は元警察官で柔道も剣道も相当の腕の持ち主だ。大丈夫だ。現金決済の多い秘書だからな、よからぬ輩から狙われることも多い。普段から鍛えている。心配することはない」
「そ、そうなんですか」
「ああ。宮下が難しい顔をしているのもいつどこで暴漢に出くわすかわからないからだ。だから、たまに彼女の顔が緩むと、かわいい笑顔を見せる」
彼の顔が少し緩んだ。
なんか、ちょっと、妬ける。
「どうかしたか?」
「なんでもないですぅ」
「妬いたか?」
「え……?」
思わず彼の顔を見つめる。真顔だ。私の肩を抱いていた手が離れて、おもむろに上がる。指先が私の頬に触れた。そのまま手は私の頬に密着し、包むようになぞられた。ほんの少し、上を向かされた。き、キス? ま、まさか。どぎまぎして目もつむれない。
しかし、シャショーの手はすぐに離れた。
「……そんなわけないか。無事でよかった」
「はい。シャチョーさんも」
たがいに見つめあう。黄昏どき、少し物悲しいような、オレンジ色の温かい時刻。好き、といってしまいたい。シャチョーさん、あのぅ、シャチョーさんが付箋紙のひとなんですよね?、と確認すればいい。
「設楽シャチョーさんて……」
「なんだ?」
どうしようか迷っていると彼は立ち上がった。
「……さあ仕事に戻ろう。お前もとちぎにもどるんだろう?」
「はい。明日の仕込みを手伝わないと」
「いこうか」
*−*−*
俺はサキホの肩を抱き、医務室を出てエントランスパークに向かった。俺の腕の中にいるサキホ。俺と宮下が恋愛関係にあると誤解していた。その誤解が溶けて、サキホは何を考えているだろう。俺に恋人がいないと知って、少しは俺を男として見てくれているだろうか。
告白するなら早いほうがいい。ドーナツカーの出店は来月いっぱいだと聞いている。告白してだめなら、まだアタックするまでだ。
「え? じゃあ……シャチョーって」
「フリーだが?」
「そうなんですか」
ふうっと体の力が抜けていく。フリーってことは、いま、恋人はいないってことだ。バリキャリさんが女性にしか興味がないのも驚いたけど、シャチョーがフリーだなんて。
「宮下は元警察官で柔道も剣道も相当の腕の持ち主だ。大丈夫だ。現金決済の多い秘書だからな、よからぬ輩から狙われることも多い。普段から鍛えている。心配することはない」
「そ、そうなんですか」
「ああ。宮下が難しい顔をしているのもいつどこで暴漢に出くわすかわからないからだ。だから、たまに彼女の顔が緩むと、かわいい笑顔を見せる」
彼の顔が少し緩んだ。
なんか、ちょっと、妬ける。
「どうかしたか?」
「なんでもないですぅ」
「妬いたか?」
「え……?」
思わず彼の顔を見つめる。真顔だ。私の肩を抱いていた手が離れて、おもむろに上がる。指先が私の頬に触れた。そのまま手は私の頬に密着し、包むようになぞられた。ほんの少し、上を向かされた。き、キス? ま、まさか。どぎまぎして目もつむれない。
しかし、シャショーの手はすぐに離れた。
「……そんなわけないか。無事でよかった」
「はい。シャチョーさんも」
たがいに見つめあう。黄昏どき、少し物悲しいような、オレンジ色の温かい時刻。好き、といってしまいたい。シャチョーさん、あのぅ、シャチョーさんが付箋紙のひとなんですよね?、と確認すればいい。
「設楽シャチョーさんて……」
「なんだ?」
どうしようか迷っていると彼は立ち上がった。
「……さあ仕事に戻ろう。お前もとちぎにもどるんだろう?」
「はい。明日の仕込みを手伝わないと」
「いこうか」
*−*−*
俺はサキホの肩を抱き、医務室を出てエントランスパークに向かった。俺の腕の中にいるサキホ。俺と宮下が恋愛関係にあると誤解していた。その誤解が溶けて、サキホは何を考えているだろう。俺に恋人がいないと知って、少しは俺を男として見てくれているだろうか。
告白するなら早いほうがいい。ドーナツカーの出店は来月いっぱいだと聞いている。告白してだめなら、まだアタックするまでだ。