また明日、空の向こうで。

気が付くと公園にいた。


まだあたしが小さくて、2人も今みたいに言い合ってなくて仲の良かった時。


よく空が赤く染まるまで遊んだ。




「ゆうこ、そろそろ帰ろうか」



そう言われてもあと一回、あと一回って何回もブランコやすべりだいで遊んだ。







懐かしい記憶が蘇る。



そういえばあの人たちに最後に名前を呼ばれたのはいつだろうか。


もう一度あの頃の空が気になって見上げても、空は真っ黒だった。


雲でも出ているのだろう、月どころか星の光さえも見えなかった。


なんとなくスマホのカメラを起動してシャッターを切る。


スマホに映る空もやっぱり黒だった。






ふと、だれかに呼ばれたような気がした。

「ゆうこ…?」
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