また明日、空の向こうで。
そこに居たのは久瀬くんだった。
「久、瀬く…」
咳き込んで最後まで言えなかったけど聞こえたみたいで。
「よ。こんな所で何してんだ?風邪引いてるっぽいけど」
そう聞かれる。
「家出……?」
「体調悪いのにか?」
「家はうるさい、から…」
「……そか」
いつもだったら なんとなくかな なんて言って笑ってるはずなのに、するすると言葉が出てくる。
「でももう夜中だぞ。送ってくから帰らね?」
帰りたくないけど、帰らないとも言えず、仕方なく立ち上がろうとした。
そこからは一瞬だった。
急に立ち上がったせいで立ちくらみがして、そのまま倒れてしまった。
「大丈夫か!?」
そう、久瀬くんの声が聞こえるけどあたしはそのまま意識を失った…。