拾われた猫。Ⅱ
「あ、そうだ!
ついでに言うと、俺に雨さんを連れていけって言ったのも、土方さんの優しさだと思いますよー」
翔の言葉に自然と目が見開く。
「…まぁ土方さんが言わなくても、俺が連れ出してたと思いますけどね。
雨さん、〝初めの雨さん〟に戻ったみたいでしたよ」
〝初めの私〟って……、私はどんな表情してたんだろう。
「沖田さんがいなくて良かったっすね」
「…なんで総司が出てくるの?」
「さぁ、なんでっすかねー。
……まぁ土方さんもだいぶ可哀想っすけど」
クスクスと笑いながら教えてくれなかった。
ただ楽しそうに笑う翔にこれ以上は何も聞かなかった。
どうせ聞いても教えてくれない。
短い間だけど、翔と一緒にいて分かったことがある。
翔は私よりも年下の15歳。
たった1歳しか変わらないのに、無邪気で本当に少年のように思う。
けれど、たまに鋭い。
怖くなるくらい……本当に鋭い時がある。