拾われた猫。Ⅱ
気がつけば、目の前は血の海だった。
私に手を伸ばしていた人たちはもう動かない。
紅い水溜まりを見下す私の瞳は、どれ程醜いだろうか。
───『要らない』
頭の中に響く声をかき消すように、光のない道をフラフラと歩く。
毒の効果が無くなった直後の体は、まだ重いように感じる。
それでも構うことなく、刀と暗器を持ち、人気のない道をフラフラと歩く。
「おやおや、こんな時間に1人は危ないよ」
笠を被った男は口元だけが見えていた。
ニヤリと笑う彼はきっと辻斬りだろう。
私に近づくにつれて、刀の刀身が鞘から覗いてくる。
ギラギラと私の血を欲しがるそれが振り下ろされる。
だけど、刀を持つ彼の腕に暗器を突き立てる方が速かった。
「ぎゃぁぁぁぁあ!
腕がっ!!」
両手で力を入れて振り切ると、片腕が取れてしまったようだった。