拾われた猫。Ⅱ
無防備な紅い髪は縛られることも忘れて、自由に舞う。
「今日は新月…」
立ち上がる彼を少年は物珍しげに見ていた。
「止めに行くんすか?
俺行きましょーか?」
「お前じゃあいつは止めらんないよ。
その代わり、来たついでに周りの馬鹿共相手にしとけ」
少年は不満そうに眉間に皺を寄せたが、「はぁい」と青年に返事を返す。
青年は屋根からふわりと降りて、紅い髪の少女とそれを囲む〝馬鹿共〟の間に立つ。
「……」
少女は感情のない瞳で青年を見ていた。
青年は外套のフードを引っ張って深く被る。
「……相変わらず面倒くさいね、お前」
刀を構える少女に呆れ顔を浮かべ、面倒くさそうに立っているだけの少年。
彼女が1歩を踏み出した時。
青年はもうそこにはいなかった。
彼女の横を通過して、その細い首に手刀を落とした。