拾われた猫。Ⅱ
◇◆◇◆◇




闇の中にフゥーッと溜め息に似た息を漏らす。



屋根の上から1人の少女を見つめる。




大人数に囲まれた少女に、恐怖も動揺もない。




「……何あれ」

「そりゃあ、雨さんっすよ」




期待もしていなかったが、返ってきた返事に今度こそ溜め息をつく青年。




「何でいる?」



座ったまま振り向くことなく、後ろの人物に話しかける。



「今屯所内は雨さん探しで大忙しだからっすよ」



悪びれる様子もなく、屈託無く笑う少年に顔だけ向けた。




「何であいつは暴走してんだ?」

「え、それは貴方の方が知ってると思ったんすけど」

「何で?」

「ずっと見てるっすから」



悪気のない笑みに苛立ちながらも、少女の方に視線を戻す。



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