拾われた猫。Ⅱ
◇◆◇◆◇




「何してるの、一くん」



急ぐ背中に声をかけたのは沖田総司だった。



「…刀の手入れをしてやろうと部屋に行ったのだが、香月は留守でな。

何か無い限り部屋から出ない奴だ。

珍しいと思って探している」



振り返り、理由を話す彼に沖田総司は顎に手を当てる。



確かに彼女は仕事以外、誰かに呼ばれない限り部屋から出ることは無い。



今日の彼女の仕事は終わっていた。


部屋にいない理由などなく。




「土方さんの所は?」

「先程行ったのだが、来ていないとのことだ」



淡々と語る斎藤一の顔に、いつもは感じられない焦りを沖田総司は見逃さなかった。



沖田総司は彼の焦りからして、随分探したのだろうと感じる。



「おーい、そんな所でどうしたんだー?」




呑気な声に2人は振り返る。



< 44 / 305 >

この作品をシェア

pagetop