拾われた猫。Ⅱ
「うっ…!」
総司をチラチラ気にしていると、目の前の人にぶつかってしまった。
よろよろと1、2歩下がる。
「す…すみません」
顔をおさえながらお詫びする。
「大丈夫、雨ちゃん?」
総司は顔をおさえていた手を取って、顔を覗き込む。
私は総司の顔をじっと見た。
「赤くはなってねぇな」
聞き慣れた声は少し笑っているようだった。
ぶつかった人を見ると、その人は笑いをこらえながらこちらを見ていた。
「分かっててぶつかるなんて何考えてるの、左之さん」
呆れたように彼を見ながら溜め息をついた。