拾われた猫。Ⅱ
「原田さーん!」
ニコニコしながら大声で近づいてくる人に、ギクリと肩を揺らす。
「あ……!!
雨さんー!!」
目を合わせまいと背を向けていたけれど、効果はなかったらしい。
後ろからギュッと抱きつかれる。
「あのさ、翔」
「なんすか?」
悪びれる様子もなく、ニコニコとしたまま問いかける。
「毎回ウザいんだけど」
私の方が身長が低い。
呆れながら睨みつけるけど、彼には上目遣いに見えていたのかもしれない。
「可愛いー!
雨さんのそういう酷いとこ、ちょー好きっす!」
そんなことを言い始め、更に抱きついてくる。
左之は溜め息をついて、いつものように宥めようと手を伸ばしかけた。
でも、翔を引き剥がしたのは今回は左之じゃなかった。