拾われた猫。Ⅱ
次の日も私は暇を持て余していた。
いつものように花を愛でているが、色々な〝音〟が聞こえてくる。
急ぐ足音、怒鳴る声、障子を開くと更に大きくなる。
新選組の屯所はいつものんびりした雰囲気が漂う。
昼時ならば尚更だ。
「にゃあ」
縁側に立つ私の肩に飛び乗ると、私の顔を見て不思議そうに鳴いた。
ノアに微笑みかけると、台所に行くことにした。
けれど、そこには誰も立っていなかった。
この時間はそろそろ昼食が出来てもおかしくない。
「…」
ノアを無言で見ながら首を傾げる。
ここにいても仕方ない。
今度はトシの部屋に行くことにする。