イジワル社長は溺愛旦那様!?
「で、この大量のキャットフードを抱えて帰ってきたというわけだ」
湊が帰宅して、玄関に置きっぱなしの段ボールを見て目を細める。
「うん……断れなくて……」
夫の帰りを出迎えた夕妃は、申し訳ないという顔で湊を見上げた。
営業部からもらったキャットフードは大量だった。
重さはそれほどでもなかったのだが、段ボールいっぱいの個別包装の高級キャットフードはかさばって、タクシーで帰ってきた。
そしてマンションのエントランスを段ボールを抱えたままヨロヨロしながら歩いていると、正面のカウンターにいたコンシェルジュが慌てた様子で飛んできて、キャットフードを台車に乗せて、玄関まで運んでくれたのだ。
「猫ねぇ……」
湊はクスッと笑って、ネクタイを緩めながらうつむく夕妃のあごさきを指で持ち上げる。
「まさか俺のことをそんなふうに言っていたとはね」
「だっ……だって、家に待ってる人がいるっていうとすごく追及されるし……猫ならいいかなーって」
「まぁ、確かにそうだな」
湊は背中を丸めて、そのまま夕妃の頬にキスをする。
「で、これはどうするの」
そのままふたりは玄関側の、湊の衣裳部屋へと入る。