イジワル社長は溺愛旦那様!?
「あ、それはね、朝陽くんにきいたら知り合いに猫かってる人がいるんだって。だからその人にあげようと思って。だからとりあえず明日、駅じゃなくて直接朝陽くんがここに取りに来ることになったんだけど」
「なるほど」
神尾はうんうんとうなずきながら、脱いだスーツの上着をハンガーにかけると、今度は両手で夕妃の顔を包み込み、今度はおでこにキスをした。
懇親会で少しだけアルコールを取ったようだ。いつもより少しキスが多い。
(嬉しいな……)
夕妃はちょっと照れながら、湊が脱いだスーツの上着にブラシをかけ始めた。
シャッ、シャッとブラシの音が響く中、背後で湊はルームウェアに着替え始める。
「ところで営業の澄川くんとは仲がいいの?」
「澄川さん? 連絡先も知らないけど」
営業部で人懐っこい人だから、よく話しかけられるような気もするが、それは自分に限ったことではないはずだ。
「ふぅん……」
だが、なんだか含みのある相づちが返ってきた。
明らかに納得していないような雰囲気である。
「ふぅんって……ひゃあっ!」
悲鳴をあげたのは、なんとブラシをかける夕妃の後ろから、湊が抱きついてきたからで、ただそれだけならまだしも、外から帰ってきたばかりの冷たい手を、着ていた部屋着の中にいきなり入れてきたからだ。