イジワル社長は溺愛旦那様!?
翌朝――。
「行ってきます。愛してるよ」
「いってらっしゃい……私もあいしてる……」
早朝、機嫌よく出かけていった湊を夕妃はベッドから見送った。
なんとか起きようと思ったのだが、湊が甘やかして結局起きなくてもいいと言ったのだ。
激しく愛された夜だった。だからこの状況は半分彼のせいでもあるが、湊は仕事に行ったのだから、自分はこんなことで起きられないというのも少し恥ずかしい。
「うーん……」
洗いざらしのシーツの中で体を伸ばしたあと、夕妃はなんとかベッドから起きてシャワーを浴び身支度を整える。
それから濃い目のコーヒーを淹れていると、十時を過ぎたころ、朝陽から【もうすぐ着く】というLINEのメッセージが届いた。
コンシェルジュに弟が来る旨を告げると、それからしばらくして玄関のドアのインターフォンが鳴る。
「いらっしゃーい」
ドアを開けると同時に、
「おっはよー!」
朝陽が玄関に飛び込んできて、ひょいっと夕妃を抱き上げた。
「きゃあっ!」
子供のように抱き上げられて悲鳴をあげるが、
「姉ちゃん、ちょっと育ったんじゃないの?」
朝陽はニコニコ笑って夕妃を見上げている。