イジワル社長は溺愛旦那様!?
その笑顔はまさに大好きな弟のもので、夕妃は懐かしさで嬉しくなったが、まさか起き抜けでこんなかたちで抱き上げられるとは夢にも思わなかった。
そして体重に関しては、毎日スタイルがいい湊を見ているせいか、ちょっとばかり気にしていたので、育ったと言われて若干傷ついた。
「そんなこと言わないでよ……気にしてるんだから」
夕妃が困ったような表情で弟を見下ろすと、
「はいはい……」
ピーコート姿の朝陽は苦笑して夕妃を床に下ろしてくれた。
それから玄関に昨晩から置きっぱなしの段ボールを見おろして首をかしげる。
「これが例のキャットフード?」
「うん。すごくたくさんあるんだけど」
「いやいや、いいよ。先輩の実家、猫三匹いるんだって」
朝陽はしゃがみこんで、段ボールの中身を覗き込んだ。
「先輩?」
「うん。寮にいた先輩。連絡したらめっちゃ喜んでた。今日、帰りにでも持っていくよ」
朝陽は靴を脱いで、夕妃とリビングに向かう。
「コーヒー、飲む?」
「飲むー。あと腹減ったからなにか食べさせて」
朝陽はコートを脱いでソファーに置くと、キッチンに立つ夕妃の隣に移動した。