イジワル社長は溺愛旦那様!?

ふたりで暮らしていたころはカツカツの生活だったが、今は当然余裕がある。

ちなみに当時弟は不満一つ言わなかったが、言わなかったというのは、気遣われていたからだ。だから今、できる限りのことをしてあげたいと思うのは、夕妃なりの姉心なのだ。


「じゃあお言葉に甘えてランニング用のシューズでも買ってもらおうかなぁ~。もうすぐへたりそうなんだよな」

というわけでスポーツショップへと入る。

たっぷり二時間ほどかけて二足のシューズを選び、夕妃が支払いを済ませて店を出た。


「姉ちゃん、ありがとう。大事に履くね。湊さんにもよろしく言っといて」
「うん」


聡い弟は、こうやって夕妃が姉っぽくふるまえるのも湊のおかげだとちゃんとわかっている。


(やっぱり私、今とっても幸せだ)


夕妃はここにいない湊へ感謝の気持ちでいっぱいになった。



それから喉が渇いたという朝陽の誘いに乗って、近くにあったコーヒーショップでお茶をすることにした。


「姉ちゃん、やっぱり俺、ホットケーキも食うわ」


レモンティーを飲んでいた朝陽が、突然物足りないという顔で立ち上がった。



< 127 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop