イジワル社長は溺愛旦那様!?

その後、ふたりであちこちを歩き回った後マンションに戻り、朝陽は大量のキャットフードがつまった段ボールを軽々と抱えて帰った。


「せっかくだから夕食も一緒に食べて行ったらいいのに」


見送りながらもついそんなことを言ってしまうのは、やはり寂しいからだろう。

だが朝陽は、「また来るよ」と笑ってエレベーターに乗り込んでしまった。


(これが子離れ、親離れってやつ……だったりして)


姉と弟という関係で、我ながらおかしなことを考えると思ったが、夕妃の中ではそう遠くない。


「はぁ……」


夕妃は若干落ち込みながら、そのままソファーへとダイブするように身を投げ出した。

夕妃と朝陽が両親の離婚後に再会したのは、朝陽を連れて行った母が再婚にあたり、朝陽を夕妃に【押し付けた】ときから始まる。
父親に引き取られていた夕妃も、父も長く付き合っていた女性と再婚することになり、就職を機に一人暮らしをする予定だった。

いきなり母にファミレスに呼びつけられたときは驚いたが、その隣にいる長身の弟の姿には、もっと驚いた。

もちろん弟の存在は知っていたが、自分よりずっと大きい、百八十センチ近い中学生の弟に、夕妃は圧倒された。



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