イジワル社長は溺愛旦那様!?

それから四年、ふたりでつつましく生きてきて、夕妃はエールマーケティング社長の神尾湊の妻になり、朝陽は家を出て学校の寮に入った。

もちろん湊は朝陽に「一緒に住もう」と言ってくれたのだが、朝陽には朝陽の考えがあり、断られてしまったのだった。

とはいえ、寮生活も楽しんでいるらしいので、あまり心配はしていないのだが……。


夕妃はソファーの上に寝転がって、天井を見つめる。


(結婚して半年かぁ……あっという間だなぁ……)


今日のように、朝陽と幸せな時間を過ごせば、もしかしたら過去のいざこざは何事もなかったかのように、このまま幸せに暮らせるのではないかと期待してしまうが、果たしてそんなことがあるだろうか。

人生はいいことも悪いことも半分半分。
過去の辛かったこと、悲しかったことは湊と出会ったことで確実に相殺され、むしろ日々の生活の中で、幸せしか感じられない。

夕妃はそれが怖かった。

幸せに慣れていないといえばそうなのかもしれない。


(幸せが永遠に続くなんて思えないのは……きっと私が弱いせいだ……)


こんな不安を湊に打ち明けたところで、彼を困らせるだけだ。


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