イジワル社長は溺愛旦那様!?
湊が帰宅してきたのは、夜の八時過ぎだった。
「ただいま戻りました」
夕妃が出迎えると、湊が大きなフラワーアレンジメントを差し出してきた。
「俺から夕妃さんに、と言いたいところですが、貰いものです」
ビタミンカラーを中心としたかわいらしくて元気のでるカラーリングのアレンジメントである。
受け取ったが、両腕で抱えるような大きさだ。
(すごい……)
ずっしりとした重さに驚いていると、
「取引先の試作品ですよ」
と、湊が改めてアレンジメントごしに夕妃に体を近づけてくる。
「ところでなんだかいい匂いがするんですが、なんでしょうか」
その言葉にハッとして、夕妃は部屋の中を振り返った。
「もしかして今日も夕食を作ってくださっているんですか」
(そうです)
心の中で返事をして、うなずいた。
冷蔵庫の中にはたっぷりの食材が詰め込まれていた。
最初は一緒に住んでいた女性がいたのではなどと考えた夕妃だが、湊がそんな男ではないということは、もうわかっていた。