イジワル社長は溺愛旦那様!?

手際のよさに驚いたが、湊はお茶の類が好きでよく飲むという。

そうやって今度はお茶の話になり――筆談込みで話が弾んで、気が付けば時間が夜中の十二時近くになっていた。


(大変だ……私、楽しくて夢中になっていたけれど、湊さんは明日も仕事なのに)


ハッとした夕妃は、湊の手首の上の時計を指さす。

すると、湊はふっと笑って、隣の夕妃の顔を覗き込んできた。


「しまった。時計、外していればよかったな」


まるで湊もまたこの時間を楽しんでくれたような言い方に、半分気を使ってくれたのではと思いつつも、夕妃は嬉しくなった。


【ありがとうございます】
「なにが?」


夕妃のメモを見て、湊が不思議そうに首をかしげる。


(なにがって……本当にわからないのかな)


湊の無自覚な善意に、夕妃はあたたかい気持ちになりながら、理由を書き並べた。


【安心して眠れる場所】
【楽しい時間】
【おいしいお茶】


「――盛りだくさんだな」


テーブルの上に次々と置かれていくメモ用紙に、湊がクスッと笑う。


【もっとあります】


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