イジワル社長は溺愛旦那様!?
「そんな驚くようなこと?」
【だってぜったいモテモテなのに】
「ふふっ……モテモテだって……」
夕妃の言葉回しがおかしかったのか、湊が苦笑する。
「そんなことはないな。好意を持ってもらったとしても、その好意はあまり長続きしないし……」
湊は少し目を細めて、昔を思い出すような表情になる。
「いつも女性には冷たいと言われる。何考えてるかわからないって……努力しているつもりなんだけど……たまに俺はおかしいのかなと思うことがある」
(信じられない……)
とても嘘を言っている態度ではないのだが、嘘としか思えない。
湊ほどの男がそんなことで思い悩むなんて想像したことすらなかった。
すると湊は、ソファーの上で身じろぎをして背もたれに体をおしつけながら、隣に座る夕妃の肩を抱き寄せた。
「俺の親友が最近婚約したんだけどね。誰でも知っているような大会社の御曹司だ。まぁ、昔から見た目も言動も行動も、女性関係も派手で、【軽薄御曹司】なんて陰口を叩かれても、本人の魅力はまったく損なわれない、稀有な男だったんだけど。こいつが三十になって好きになった女性がいて、何度冷たくあしらわれてもめげなくて、なんとか口説き落として、そのあとは彼女との結婚を許してもらうために大変な努力をしてね……そういう親友を傍で見ていたら、やっぱり俺には同じことはできないと思うし、同じことはできないなら、冷たいのかもしれないと思うし……」