イジワル社長は溺愛旦那様!?

【二十年】
「実家でですね。中学に入る前くらいから、そんな習慣がついていて」


湊はクスッと笑って、隣の夕妃の顔を覗き込む。


「明日は金曜日です。もしよかったら、ディナーに行きませんか」
【外食ですか?】
「部屋の中にずっといるのも気がふさぐでしょう」


どうやら気分転換に、外食しようと言ってくれているらしい。


(湊さんと外食……嬉しいな)


夕妃は嬉しそうに顔をほころばせたが、ふと、パンケーキを食べた時のことを思い出していた。

あの時、夕妃はやたらはしゃいでしまった。
いや、はしゃいだというよりも、湊が一緒にいることで、足元がふわふわして、挙動不審だったような気がする。


(嬉しいけど……私が笑われるのはいいけど、湊さんに悪い……それにもし私を知っている誰かに見られたら)


夕妃は迷いながらも、ペンを走らせた。


【誰かに見られるかも】
「友人の店ですから、当然個室ですし、心配はいりません」


湊にはお見通しらしい。後押しするようにうなずいた。


< 164 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop