イジワル社長は溺愛旦那様!?
翌朝、六時に目を覚まして階下に降りると、まだ湊は起きていなかった。
コーヒーを淹れている間に起きてくるかと思ったが、八時近くになっても部屋から出てくる気配はない。
(おかしいな……今日、休みではないのよね?)
なんとなく昨日の口ぶりだと、金曜日に早く帰るために仕事を前倒しにする、ような雰囲気だったはずだ。
それでももしかしたら戻ってきているかもしれないと、足音を立てずに湊の寝室のドアの前に立つ。
部屋の中をうかがうように耳を近づけたが、やはり人の気配はしない。
(もしかしたら帰ってない……?)
深夜帰ってきて、早朝出かけたのかもしれないと思ったが、確かめようもない。
朝陽に連絡をとって連絡先を聞けば、と一瞬思ったが、湊はスマホを水没させたきりのはずだ。
(えっ、どうしよう……)
夕妃は困ったように部屋の真ん中で立ち尽くしたが、どうしようもない。
約束はしたのだから、きっと夕方か夜には帰ってくるだろう。そう自分に言い聞かせるしかなかった。