イジワル社長は溺愛旦那様!?


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湊の部屋に居候させてもらって、初めてきちんとしたフルメイクをした夕妃は、ドレッサーの前で鏡の中の自分をじっと見つめる。

それから鏡相手に目を見開いたり、口角を持ち上げて笑ってみたりした。

湊はまだ帰ってこない。だが、戻ってきたらいつでも出かけられるようにしておこうと、夕方にシャワーを浴びて、きちんとメイクをした。


(最近はずっとお粉をはたいてるだけだったから、なんだかドキドキするな……)


メイク後もすっぴんもそう変わらないと常々朝陽から言われている夕妃だが、個室のレストランで食事をするなら少ししっかりめにしておかないと、照明の明かりで暗く見えてしまう。

どうせなら少しでもきれいに見えてほしいと思うのが乙女心だ。

丁寧にリップブラシで口紅を塗った後、ここに持ってきた洋服の中で一番フォーマルな雰囲気がある、グレージュのワンピースに着替えた。

上半身はタイトで、膝上から少しフレアになった上品なワンピースだ。

その上に黒のジャケットを羽織れば、かなりきちんとした雰囲気になる。


(よし……)


それから肩を覆うストレートの髪はブラッシングしておろす。

時間をかけ身支度を整えた夕妃は、それからリビングのソファーに腰を下ろした。
時計を見ると午後の五時だ。


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