イジワル社長は溺愛旦那様!?
(湊さん……寝てるの……?)
リビングのソファーは広く大きく、柔らかいレザーで出来た高級品だ。
夕妃が普段使っているベッドよりよっぽど寝心地がいいのだが――。
彼は背もたれに背中をあずけて、完全に寝入っている。
彼は昨日の朝見たのと同じスーツ姿だった。
上着だけを脱いで、それを夕妃の膝にかけてくれている。
(隣に座っているということは、眠っている私を見て、少し寝かせてあげようと思ったとか? そして自分が寝ちゃったとか?)
そして同じスーツを着ているということは、ずっと仕事で帰っていないと言うことだ。
うつむく湊の顔を見れば、確かに疲労の色が目の下に残っていた。
(……無理、したんだ)
いつもニコニコ穏やかに笑って、不機嫌そうな顔一つしないで、巻き込まれるような形で出会った夕妃姉弟を保護してくれている。気を配ってくれている。
そして今日も、夕妃のために、忙しい中時間を作ってくれたのだ。それこそ寝る間も惜しんで――。
(湊さん……)
彼の肩に一瞬手を伸ばしかけたが、夕妃はその手をすぐにひっこめた。
そして来ていたジャケットを脱いで、湊の膝の上に掛ける。