イジワル社長は溺愛旦那様!?
「――もしかして、寝かせてくれてたんですか」
夕妃がうなずくと、湊は眉を寄せてソファーに腰を下ろし、夕妃に頭を下げた。
「すみません……今からでは少し、時間的に厳しい。こんなことになって。申し訳ない」
【謝らないでください】
夕妃は慌ててそう告げる。
楽しみにしていたのは事実だが、湊の体のほうがずっと大事だ。わざと起こさなかったのだから彼が悪いはずがない。
「ですが……本当に申し訳ない。せっかくきれいにしてくださったのに。楽しみにしてくださっていたんでしょう」
そして湊ははぁ……とため息をつきつつ、かけていた眼鏡を外し、片手で目元を覆ってうつむいてしまった。
かなり落ち込んだ様子だ。
きちんとしたワンピース姿とメイクだったので、湊の【きれい】という言葉は嬉しかったが、湊はどうもわかっていないようだ。
夕妃はメモにペンを走らせた。
【食事は楽しみでしたけど湊さんが無理してるのは嫌です】
「無理なんか……」
【したでしょう】
即座にペンを走らせると、
「しましたね……」
湊は苦笑して、うなずいた。
【明日はお休みですか?】
「明日? ええ、久しぶりに完全にオフですが」
【だったら仕切り直しましょう】
「友人のレストランですか?」
【いえ】
夕妃はにっこりと微笑んだ。