イジワル社長は溺愛旦那様!?
あの日とは違うベンチに座って、デニムパンツの上にハンカチを膝に広げる。
「いつも朝食は食べないんですが、昨晩ふたりとも抜きでしたからね。おなかと背中がくっつきそうだ」
湊がおどけたように笑って、ベーカリーでもらったお手拭きで手を拭き、そして包みをあける。
「いただきます」
(いただきまーす)
夕妃も同じように手を拭いた後、サンドイッチにかぶりついた。
(おいしいー!)
思った通りのおいしさだが、厳密にいえば想像よりずっと美味しい。
空腹なのもあるし、外だというのもあるし、なにより好きな人とふたりで、ベンチに座って美味しいものを食べるというシチュエーションがたまらなく素敵だと、夕妃は思った。
ここには、何事にも代えがたい、幸せのようなものがあった。