イジワル社長は溺愛旦那様!?

「あーっ!」
「好きだろ?」


湊がにやりと笑う。


「大好き!」


思わず夕妃が絶叫してしまったのも無理はない。

その箱の中身はこのマンションの近くにある有名パティスリーのマカロンで、夕妃の大好物だった。
しかも一個五百円もする高級品なので、夕妃はとっておきの日にしか食べないよう決めているのだ。


「よく買えたね」


四個入りの箱なので、湊と半分こして二回食べられる。

箱を受け取って、夕妃は頬をゆるませた。


「取り置きの電話をしてた」


仕事の菓子は夕妃に買いに行かせるが、妻のためにはわざわざ自ら取り置きの電話をし、店に寄ってくれるのが湊という男なのだ。

そして湊は夕妃に顔を近づけ頬を傾けた。


「気の利く夫にご褒美は?」
「おいしいご飯ができてますよ」
「そうじゃないだろ」


湊はクスクスと笑いながら、そのまま夕妃に口づける。

チュッと音がして、そして湊は自由になった両腕で夕妃の腰の後ろで手を組んだ。



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