イジワル社長は溺愛旦那様!?

そして低くて甘い声でささやく。


「たくさんキスして」
「た……たくさん?」


たくさんとはいったいどのくらいの回数のことを言うのか。
いや回数ではなくて時間で言っているのだろうか。

湊がどうとでもとれるような言い方をするのは、いつものことだが、夕妃は目を丸くした。


「そうだよ。たくさん……」


そう言いながら、湊の唇が強く夕妃の唇を吸い上げる。
それから舌が歯を割って口の中をゆっくりと這う。


「ん……っ」
「好きだよ、夕妃」


キスと甘い言葉に、全身にしびれるような快感が広がっていく。
ほのかに甘い口内がゆるやかに侵されていく。

湊とするまで、夕妃はキスがこんなに気持ちがいいものだと知らなかった。


(なんだかこのまま流されてしまいたい気分……)


今日会社で女の子たちが、湊が本社に戻るんじゃないかと噂していたこととか、せっかく作った夕食が冷めてしまうとか、いろんな現実が頭をよぎったが、どうでもよくなってしまいそうだ。

そうやって、うっとりと身を任せていた夕妃だが、突然ピリッと舌先に痛みが走り、夕妃は発作的に唇を離し、湊を押し返していた。


「――どうした?」



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