イジワル社長は溺愛旦那様!?

怪訝そうに湊が顔を覗き込んでくる。


「――お昼にヤケドしたこと忘れてた」
「ヤケド?」
「うん。ランチで食べたスープがすごく熱くて」


すると湊は夕妃の顔を両手で包みこむようにして固定した。


「見せて」
「え?」
「ほら、口開けて」


甘いキスの時間が一転して、なんだかおかしな雰囲気になるが、夕妃は素直にうなずいて、口を開けた。

湊の目線が自分の口元に向けられている。


「……暗くてよく見えないな。舌、出してごらん」
「なんだか恥ずかしい気がしてきたから、やだ」


よくよく考えてみれば、この動作もなんだか意味深ではないか。

頬が熱くなっていくのが自分でもわかる。

夕妃はサッと口を閉じ湊から離れると、キッチンのほうへと向かった。


「さて、ごはん、ごはん」


抱き寄せられて乱れたエプロンの紐を後ろでしばりなおす。


「こら、やだじゃないよ。見せなさい」


後ろから靴を脱いだ湊が笑いながら追いかけてくるが、笑って無視することにした。



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