イジワル社長は溺愛旦那様!?

(嬉しい……?)


「そう……嬉しい……そしてめちゃくちゃ興奮する……わかる?」

耳元でささやいていた湊の唇が、夕妃の耳に触れる。


「早く夕妃の中に入りたい……って……押し入ったら、夕妃はどんな顔をして、どんな声をあげるんだろうって……興奮する」

湊の舌が、するりと耳の中に入ってきた。

それは当然夕妃のまったく知らなかった領域で、思わず体が跳ね、背中をのけぞらせてしまった。
頭の中で、湊の音がする。
目の前が真っ白になって、息ができなくなる。


「――」


気が付けば、体をベッドの上に横たえられていた。

湊はじっとそんな夕妃の上で、艶やかに微笑む。
いつも見る湊ではない、一人の男の、欲望に濡れた目で、湊は夕妃を見つめていた。

こんな目で見られて、ときめかないはずがない。


(湊さん……やっと私たち、夫婦になれる……?)


夕妃の心はすでに湊一色に染められていた。
はやく彼のものになりたかった。
心も体も抱きしめて、つらぬいて、埋めてほしかった。

けれど――。
湊はしばらく夕妃を見つめた後、ふっと笑って、夕妃の額にチュッと音を立ててキスをして、ささやいたのだ。


「おやすみ」


< 348 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop