イジワル社長は溺愛旦那様!?

(えっ……?)


「俺は仕事を片付けてから寝るよ」


そしてすっと夕妃から体を離し、何事もなかったかのように軽やかにベッドルームを出て行く。


(う、う、うそっ……!)


夕妃はびっくりしてベッドから飛び起きたが、なんと言って追いかけていいかわからず、その場で呆然と閉まったドアを見つめるしかない。


(うううううう、うそでしょー!?)


だが、残念ながら、湊はベッドルームには戻ってこなかった。
気が付けば夜は更け、太陽が昇り、昨日とはなにひとつかわらない朝が来た。


(いったい湊さんがなにを考えているのかわからない……)


夕妃は焦ったが、本当にどうしていいかわからない。


(いや、本当に仕事が山積みだった……のかも?)


「うん、そうよ、そうよ……」


昨晩の妖艶な気配をつゆとも残していない湊の出勤をいつものように見送った後、夕妃は山積みの問題集のノルマをこなしながら、そう自分に言い聞かせる。

今日は金曜日だ。
明日は土曜日で、湊は休みだと言っていた。

日曜日は少し出かける用事があるが、間違いなく今晩から明日まではフリーなのである。


(今日こそ……やり遂げて見せる!)


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