イジワル社長は溺愛旦那様!?

もう何度も同じ夜を過ごしたベッドルーム。

けれど今日からは少し違う、夜の時間。





「俺に触れて」


ベッドの上で、湊が夕妃の手を取り、囁く。

今まで湊にそんなことを言われたことはなかった。
ずっと受け身だった。


(私から……触れるの?)


小さくうなずいて、導かれるまま、彼が着ている上質なコットンのルームウェアに、おそるおそる手のひらを乗せる。

抱きつくとかそんなことを抜きにすると、自分から湊にふれるなんて初めてのことだった。


(どうしよう……どうしたらいいんだろう……)


思わずまじめに考え込んでしまう。


「そんなおそるおそるじゃなくていいから」


湊がクスッと笑って、真剣な顔の夕妃の頬に手を置いた。

そのまま吸い寄せられるように顔を近づけ、触れるだけのキスをする。


「……好きに触っていいの?」
「いいよ」


湊の黒い目がしっとりと輝いた。
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