イジワル社長は溺愛旦那様!?

上を脱がせてしまったら、そのあと裸で抱き合うに至るまではあっという間だったような気がする。

いや、実際は長い時間がかかっていたのかもしれないが、夕妃にとってそれはほんの一瞬だった。
湊の手でゆっくりと脱がされるのももどかしいくらいだった。

まず夕妃に触れさせて、同じくらい時間をかけて夕妃に触れる。

長い時間をかけて、夕妃から羞恥心を取り除いていく。

指や、唇や、言葉で、夕妃をとろけさせていく――。





「――痛い?」
「うん……すこし……でも、うれしい……」


これでようやくひとつになれたのだ。
少しどころか結構な痛みを感じるが、それよりもずっと嬉しかった。

夕妃が照れたように笑うと、湊は顔を近づけて、ささやく。


「愛してるよ、夕妃……」


どこか熱に浮かされたような甘い言葉に、夕妃の心は震える。


「私も、愛してる……」


そして目の端から涙が零れ落ちた。

幸せすぎて、怖い。
こんなことが自分の人生に起こっていいのかと戸惑ってしまう。

湊は夕妃の体をしっかりと抱きしめると、その涙を口づけでなめとる。


「――これでもう夕妃は、一生俺のものだ。覚悟しなさい」


冗談ぽくはあるがどこかに彼の本気がにじんでいるような気がした。


(私だって、一生湊さんを私のモノだって思って生きていくんだから……)


夕妃は緩やかに動き始める湊の首に腕を回した。



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