雪と初恋
……話し掛けたいと思う。
でも、なにを話していいのか分からない。
僕ってこんなに、人と話をするのが苦手だったっけ?

そのうちバスがきて、やっぱり離れて座って乗る。
同じバス停で降りて、村までの一本道を前後しながら黙って歩く。
分かれ道まで来ると、またましろが口を開いた。

「また、明日」

「うん。また、明日」

僕に向かってふふふと笑うと、また無表情になって反対方向へと帰っていった。
 

それから何度も、同じことを繰り返した。

ましろと言葉を交わすのは、朝の「おはよう」と帰りの「また、明日」だけだ。
そしてそのときだけ、ふふふと笑う。
それ以外は無表情。
学校ではやっぱりいつも眠ってる。
 

その日はやけに冷え込んでいた。
天気予報では夜には雪になるだろうといっていた。

放課後、やっぱりましろと二人、黙ってバスを待っていた。
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