恋愛白書
「…タケ」


タケの優しさに涙がでてくる。


「よし!拾った!」


タケが自慢げな顔をする。


「そんぐらい普通だろ!」


マサがタケの頭をなでる。


「当たり前のことで威張るとか」


智香も笑ってる。


やっぱり。
この空気感がすき。

あたしはここで
幼少期ずっと過ごしたんだ。


「ただいまー!」


買い出しからふたりが帰ってくる音が聞こえた。


「あ、二人帰ってきた」


あたしは2人を迎えに玄関に行こうと歩き出す。


━━グイっ


それはなにかによって遮られる。


「やしな!ちょっと出るぞ!」


タケがあたしの腕をひっぱっていた。


「え!?タケ!?」


突然のことに頭がパニックになる。


「え!?やしな!?」


玄関からリビングにきたふたりはあたしたちに驚きの顔。


それに構わず、タケは走って家を出ていく。


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